国道106号線(通称:宮古街道)は今
「ねむの木」が見頃。
東北の山々には見慣れないような鮮やかなピンクの花が沢山のブラシ状の花を咲かせる。
ねむの木自体は珍しくない。固定観念で「東北に咲く花(特に樹木)には落ち着いた色が多い…」と思っているから。
昔、子供の頃…お隣さんとの丁度境に一本のねむの木があった。
宮古街道沿いに咲くような立派な大木ではなく、せいぜい2mあろうかというほどの小柄なねむの木だった。
女の子が好みそうな可愛いピンクの花が、ちょっと目線より上に幾重にも咲き誇る。その姿と、オジギソウのような個性的な葉っぱが大好きで、毎年楽しみにしているものだった。
けれど…ある年、お隣にはアパートが建つことになり、そのねむの木は工事のために倒されてしまった。
学校から帰ってきたらねむの木が居ない。
母に「なんで止めてくれなかったの!!!!!」と八つ当たりの様に激怒したものの、考えてみると移植できるようなスペースもなく…ただ呆然とするしかなかった。
あの日からずっと…ねむの木を見るたびに胸が切なくなる。
いつか、自分の家を持てる日がくるなら… あのときの様にいつも見える場所にねむの木を植えたい。
想いを馳せながらの国道106号線だった。